ピーターパンシンドロームの女

20代も後半だけど心は若い。

家系ラーメンに支配される味覚

横浜だ。

大学時代の先輩宅にお邪魔した帰りだった。

とはいえ、普段行かない楽しそうなところに来て、

このまま帰るのは面白くないじゃないか。

 

私は携帯で「横浜駅」と打ち込む。

グーグル先生が「横浜駅 ラーメン」とサジェストを

提供してくれる。

そうか、横浜といえば、

私の大好きな家系ラーメンの聖地だ!!!!

新たなソリューションを提供し、

私の中にイノベーションを起こしてくれてありがとう、

グーグル先生!!!!

※私は新たなソリューションを提供し、

イノベーションを起こすタイプの会社は嫌いだ。

そのため間々揶揄することとしているが、

ご了承いただきたい。

 

早速検索すると、やはり総本山の吉村家が出てくる。

ここに行きたい…

こんな時並みの子女なら尻込みするだろうが、

よもやこのアラサー、恥も外聞もない。

だいたい、ラーメン屋には

女1人で行ってはならぬと誰が決めた?

ラーメン、味玉、野菜の札を買い、いざ列へと並ぶ。

 

「尻がめちゃくちゃ汚くてさー」

と、唐突に後ろに並ぶおニイチャンが発言する。

絶対に坂口杏里のビデオの話だ。

私はそう確信した。そして深く頷いた。

『『私もそう思ったよ…』』

心の中で呟く。

ちなみにその通りだったらしく、彼らは話を続ける。

これは女は1人で来るなという圧力なのか?

ばかめ、こちとら男だらけの職場で働いてたんだ。

オフィスで真っ昼間にど下ネタを叫んでる人がいても

動じないよう鍛え抜かれてんだ。

私はラーメンへの気持ちを高めていく。

シミケンを坊主にするより、

はじめから坊主の男優使えばよかったと思うけどな!

 

吉村家は店の回転のさせ方が独特だ。

まず並ぶより先に券売機で支払いを済ませ、

席の交換は店の全座席の半分ずつを一気に回転し、

一気に濃さや硬さの好みを聞き、麺も一気に茹でる。

そんなわけで、おニイチャンとは

隣り合わせでラーメンをすすることになる。

一気に12人ほどから聞いた、一人ひとりの好みを

間違いなくさばく、店員さんの神業も見ものである。

 

目の前にラーメンが差し出される。

f:id:c3xhixaxo:20161008195540j:image

家系だ…

まずはスープをすする。

『『う、うまい…!』』

私が心の中で呟くと同時に、

おニイチャンの「うまい!」という声が聞こえる。

今や彼の頭からも、

AVのことは消えて無くなったようだ。

私の頭からはそんなおニイチャンの事すら消えた。

もうラーメンと真っ向から向かい合うっきゃない。

 

兎にも角にもうまい。

骨の髄まで沁み渡る、広がる、そして手が止まらない。

机には薬味がたくさんあり、

ニンニクチップ、すりおろし生姜、刻み生姜、

青唐辛子、ごま、コチジャン、ラーメン酢、醤油

…それと青いペーストだ。

なんだかよもや美味すぎて、何かを入れること自体が

邪道の極みなのではないかと心配になりながら、

おそるおそるそれらに手を染める。

家系は終盤に重すぎて苦しむことがあるため、

細心の注意を払いながら、

さっぱり爽やかなカスタマイズを目指していく。

まずは刻み生姜、そして例の青いペーストを…

舐めてみる。爽やかで少ししょっぱくコクがある…

少々入れる。

食べ進めていく。野菜は40円だったが量は多い。

ラーメン食べたという罪悪感を帳消しにしてくれる。

味玉もトッピングして760円とは実に良心的。

シュウマイの入ってる某弁当よりも安いぞ!

そう思いながらもどんどん麺は無くなっていく。

 

ああ〜もっと食べたいのに〜〜!

切なくなってしまうくらいだ。

25歳を超えた辺りから、すっかり少食になった私、

一杯をこんなに苦しまずに食べられるのなんて

いつぶりだろう。感無量…

終盤に差し掛かって、ラーメン酢を投入する。

ニンニクが入ってる吉村家オリジナルの逸品だ。

これがまた爽やか、油が中和されていく。

気づけばつゆの最後の一滴まで、私はすすっていた。

満足感たっぷりに席を立つ。

店員さんからのあたたかい挨拶も本当に気持ちが良い。

最後に青いペーストの正体を訪ねてみた。

北海道産のギョウジャニンニクのすりおろしだそうだ。

美味しすぎて結構入れてしまった…土曜日でよかった。

 

帰りはオレンジか山芋を

セルフでお持ち帰りできるシステム。

その時々で違うらしいが、

山芋のが面白いと思って、山芋をいただく。

幸せに包まれた胃を抱えて駅まで歩く。

 

なかなかお腹がいっぱいだったため、

腹ごなしにゲーセンでクレーンゲームをする。

でっかいピカチュウが取れる。

愉快な夜だ。